どちらとの恋を選びますか?【後編】~元彼御曹司のとろ甘愛に溶かされて
 今日は、早く帰ろう。陽が待ってるから…
 朝からウキウキして、会社に行くと、新しくペアを組んだ、田中君が声を掛けてきた。

 「春風さん、今日、ご機嫌ですね」
 「い、いつもだよ」
 「春風さんって、分かりやすいんですよ」
 「そうなの?」

 田中君は人懐っこく、放っておけないタイプだ。
 「今日も、ご指導宜しくお願いします!」
 「午後から、挨拶回りだから、名刺忘れないようにね」

 満面な笑顔の田中君。
 天然系で年上先輩達は、「田中君、可愛いよね」「母性本能をくすぐるよね」と言って、可愛がっている。

 午後から、田中君を冬月商事に連れて行くと、
 「春風さん、お久しぶりです」
 人事部長と3人で話をしている部屋に、わざとらしく、陽が入って来た。

 絶対、新しいペアがどんな男性か、確かめに来たよね。

 「ご無沙汰しております。冬月専務」
 「は、初めまして。た、田中と申します」
 初々しい田中君は、緊張して挨拶していた。

 「冬月です。以前、人事部長の時は、春風さんにお世話になりまして。いい先輩に付きましたね」
 「はいっ!尊敬してます。仕事が出来るだけでは無く、とても面倒見が良くて」
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