どちらとの恋を選びますか?【後編】~元彼御曹司のとろ甘愛に溶かされて
 夏目君の辛そうな横顔が、胸を締め付ける。
 いつも助けてもらっていたのに、何も出来ない…

 「ごめん、春風には関係ない話なんだけど、誰にも言えなくて」
 「夏目君、私達は同期だよ。困ったことがあったら、助け合って来たじゃない」

 そう…いつも、私が助けてと言う前に、気付いてくれた夏目君。
 いつも心強い言葉を掛けてくれた。

 私がミスした時、
 「春風、大丈夫か?俺が対応するから、気にするなよ」
 「落ち込んだ顔するな。2人で乗り越えるぞ。俺となら大丈夫だろ?」

 どんなに辛い事も、私が乗り越えられたのは、夏目君が傍にいて、力づけてくれたから…

 思い出すだけで、涙が溢れて来た。
 「どうして、春風が泣くんだよ」
 夏目君は、優しく微笑みながら、私を見つめていた。
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