どちらとの恋を選びますか?【後編】~元彼御曹司のとろ甘愛に溶かされて
 「だって…いつも助けてくれる夏目君に、私、何も出来なくて…」
 「助かってるよ。春風が頑張ってると、俺も負けてられないって、力が湧くんだ」

 その言葉に、更に涙が零れ出した。
 「俺の事で、涙を流すなよ。冬月専務に怒られるぞ」
 「…でも、夏目君とずっと一緒に仕事してきたから。夏目君がそんな顔してるの、辛いから」

 私ばかり甘えてたから、夏目君は弱いところを見せなかったのかもしれない。
 同期として、同僚として力になりたい。

 「家族のことは…私が踏み込めることじゃないけど、話は聞くから」
 「ありがとう…少し楽になったよ」
 「ほんとに?」
 「あぁ、1人で抱えてきたから…」
 「良かった…ごめんね。名前が違うことは気になっていたのに」
 「春風が謝ることじゃないよ」
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