どちらとの恋を選びますか?【後編】~元彼御曹司のとろ甘愛に溶かされて
 マンションのエレベーターに乗ると、ベンチで夏目君の上着を持っていたせいか、香りが服に染み付いる。

 直ぐに部屋に入って、着替えないと…
 陽は、この香りを知っている…

 緊張してドアを開けた。
 「咲羅、お帰り。連絡があってから遅かったな」
 キッチンから顔を出す陽に、ドキッとした。

 「う、うん。ちょっと話してたの。直ぐに食事のお手伝いするね」
 「いいよ、もう出来たから…目が赤いけど、大丈夫か?」
 「あっ、うん、ゴミが入っただけだから大丈夫。先に着替えて来るね」

 早く、着替えないと…

 逃げるように部屋に入ろうとした時、
 「…咲羅、ちょっと」
 腕を引っ張って、抱き寄せられた。
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