どちらとの恋を選びますか?【後編】~元彼御曹司のとろ甘愛に溶かされて
【身を引く覚悟、そして別れ】
 早く帰って来た私は、夕飯の支度をして、陽の帰りを待っていた。
 「ただいま」
 「陽、お帰りなさい」
 いつもと…様子が違う。

 「先にシャワー浴びてくる」
 どうしたんだろう…
 どんなに疲れていても、
 「今日は何作ったの?」
 と、キッチンに入って来るのに…

 食事をしている時も、いつもと変わらない笑顔の中に、一瞬、曇る時があった。
 何か…ある。

 食事の後、2人で片付けるいつもの光景。

 終わってから、陽がソファに座り、
 「咲羅、話があるんだ」
 真剣な面持ちで、私を見つめた。

 「うん、どうしたの?」
 不安な気持ちで、隣に座ると、陽は私の手を握った。

 「父さんから、見合いの話を持ち出されたんだ」
 「えっ?」
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