どちらとの恋を選びますか?【後編】~元彼御曹司のとろ甘愛に溶かされて
 部屋を出てから、ようやく事の大きさに実感が沸いて来た。

 「やっぱり私達、別れた方が」
 「俺は咲羅を2度とこの手から離さない。もう、あんな辛い思いはしたくない」
 「陽…」
 「俺は、咲羅を手放すくらいなら、勘当されても構わない」

 陽は、私の方を振り向くことなく、歩くのを止めない。

 私は、手を引く陽の手を振りほどき、涙が浮かぶ目でしっかり、陽を見据えた。

 「冬月商事はどうなるの!ご両親だって…これまでの陽の努力は…どうなるの…」
 「咲羅。もう黙ってろ。俺の気持ちは、誰に言われようが変わらない。分かったな」

 陽は私の手が離れないように、力強く指を絡め繋いで、歩き出した。
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