どちらとの恋を選びますか?【後編】~元彼御曹司のとろ甘愛に溶かされて
 会社に行く時、「気を付けてな」って、行ってらっしゃいのキスをしてくれた玄関。

 2人で笑いながら、料理を作ったキッチン。

 ソファに座りながら、私の仕事の出来事を、時に厳しく、そして優しく聞いてくれた。

 2人で映画を見て、泣いた時も、怖がった時も、優しく抱きしめてくれた。

 凄く幸せだった。
 陽をもう1度、愛して良かった。

 ベッドに横になり、私からキスをすると、陽は少しビックリした後、優しく微笑んだ。

 「陽…今日はたくさん、愛して欲しいの」
 「咲羅から甘えてくれると嬉しいよ」

 これで最後…
 そう思うと陽を目に焼きつけたくて、体に刻みたくなった。

 陽に愛を伝えるように、唇と手を這わす。
 「咲羅…俺を乱し過ぎだぞ…」
 「陽を…愛してるから…」
 「そんな事、もう十分に分かってる…じゃあ、俺もお返ししないと」

 陽に、甘くて激しく愛される時間を、1分1秒大切に体に刻み込む。

 「愛してる…陽」
 その言葉に応えるように、長い時間を掛けて陽に乱された私は、忘れられない温もりと、極上の愛を受けた。
< 73 / 109 >

この作品をシェア

pagetop