どちらとの恋を選びますか？【後編】～元彼御曹司のとろ甘愛に溶かされて

　「陽先輩のことなんて…もう、何とも思って無い」
　「心の底から愛しているよ、咲羅」
　「私は陽先輩を許さない」
　「許さなくてもいい。これから一生掛けて、俺の愛で償うよ」
　その言葉に、涙が溢れて止まらない。

　「咲羅…本当の気持ちを聞かせて」
　「言いたく…ない」
　「じゃあ、確かめさせて」

　じっと見つめる瞳から、目が離せない。
　あの頃と同じように、ドキドキしてる。

　そして、陽先輩の顔が近づき、私は…
　心のままに目を閉じた。

　軽く触れた唇が離れ、力強く抱きしめられた。

　辛かったあの日、寂しかった毎日、裏切られても大好きだった先輩の優しさを想い、葛藤した日々…
　複雑な感情が、涙で流され、陽先輩の温もりが流れ込む。

　陽先輩に抱きしめられた日々の記憶が、鮮明に蘇り、体中に熱が帯びる。

　これが、私の答えなんだ…
　やっぱり…陽先輩を愛してる。

　心の奥に隠していた感情が、一気に溢れ出した。
　この腕の中に、ずっと包まれていたい…