どちらとの恋を選びますか?【後編】~元彼御曹司のとろ甘愛に溶かされて
 「咲羅…このまま、離れたくない」

 私も…そう言いかけたけど…
 もしも、また…この温もりを体に刻んだ後に…

 「裏切られるのが怖い…もし、同じ事をされたら私は…」
 「これからは、どんなことがあっても、必ず傍にいる」
 より一層、力が入る腕の中に包まれる。

 「このまま、俺の家に行こう。それなら安心だろ?」
 「陽先輩の、家に?」
 「目が覚めた時、咲羅を抱きしめて、横に居るから」

 私も、このまま離れたくない。

 私が頷くと、
 「俺が車を取ってくる間、数日分の着替えを持っておいで」
 陽先輩は頭を撫でた後、背を向けて歩き出し、私はマンションへ向かった。

 さっきまで夏目君のことを考えていたのに、今から陽先輩の家に行くんだ…

 自分の気持ちが追いつかない。
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