どちらとの恋を選びますか?【後編】~元彼御曹司のとろ甘愛に溶かされて
 「夏目君、本当にありがとう。頑張ってね」
 「春風も、いい奥さんしろよ」
 右手を差し出されて、握り締めた。

 未熟だった2人は、力を合わせて、色々な事を乗り越えて来た。

 もう…2度と2人で仕事をする事は、無いんだもんね…

 「じゃあ、俺行くから」
 何度も振り返り、手を振る夏目君を見送り、姿が見えなくなると、涙が自然と溢れ出した。

 「夏目さん、来てくれたんだな」
 「うん、仕事の合間に来てくれたみたい」
 涙を流す私を、陽は優しく包みこんでくれた。

 「いつまで経っても、2人の特別な絆には妬けるね」
 後ろから抱きつき、首に唇が這う。
 「ダメだよ…皆が見てるから」
 「ただ、じゃれ合ってると思うよ」
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