どちらとの恋を選びますか?【後編】~元彼御曹司のとろ甘愛に溶かされて
 顔を上げると、陽は目を細めて、私を見つめていた。

 「俺以外の男のことで涙を流すとどうなるか、忘れたんじゃないだろうな」
 「こ、これは違うから」
 「そう…じゃあ、そういう事にしておくけど…」

 陽に抱きしめられたまま、あの日のこと思い出すだけで、体が火照ってくる。
 「咲羅の体、熱いけど、あの日の事を思い出した?」
 「ち、違う」
 「もう約束は無くすよ。妻になったしね」

 良かった…今、あんなに抱かれたら…
 「安心した?あんなに悦んでたのに?」
 「それは…」
 嬉しいけど、体がもたない

 「約束を破らなくても、これからも容赦なく愛するから」
 「えっ?」
 「ただ、その前に…」

 私の体を離し、手を繋ぐと、両家の両親や親戚が集まる方に歩み寄った。
 「父さん、俺達、疲れたから少し部屋に戻るよ」
 「あぁ、こっちの事は任せなさい」
 「ありがとう」
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