どちらとの恋を選びますか?【後編】~同期は独占欲強めな溺甘御曹司でした
 腕を私の背中に回したまま体を離し、熱を帯びた視線に見つめられ、体中が熱くなる。
 ようやく気付いた、私の感情…

 「私も…夏目君が好き…」
心のままに、自分の気持ちを伝えた。

 じっと私を見つめる夏目君は、優しく微笑んで、腰に回る手が私を更に引き寄せる。

 「あれは、嘘だったって言っても、俺はもう、春風を離さないぞ?」
 夏目君の言葉に私は頷いた。

 「今の言葉、もう一度言って…」
 夏目君の目を見つめると、真剣な眼差しに吸い込まれそうになる。

 「夏目君が…好き…」

 照れる私に、夏目君は揺れる瞳で微笑む。

 「大好きだ、春風…」
 夏目君の顔が近づき、目を閉じると、静かに唇が触れ合った。

 「俺、嬉し過ぎて、泣きそう」
 力強く抱きしめられて、夏目君の胸に顔を埋める。
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