どちらとの恋を選びますか?【後編】~同期は独占欲強めな溺甘御曹司でした
 「凄く綺麗だ。愛してるよ、咲羅」
 私が話すと、少し間が空いて、画面の男性がにこやかに、
 『凄く綺麗だ。あ』
 そこまで言うと、急に画面が消えた。

 「あれっ?消えたよ、涼」
 涼を見ると、俯いたまま、キーボードに手を置いて固まっていた。

 「涼?」
 「もう、これで終わりだ。リアルにし過ぎたから、変更する」
 「もっと、話したかったのに」
 「例え人じゃなくても、咲羅に愛を語るなんて許せない」
 涼を…怒らせちゃった、かな。

 「さてと…もう遅いし、先に寝室に行くね」
 私が慌ててドアに向かうと、
 「逃がすわけないだろ?」
 そういって、壁に追い込まれた。

 「言わせた咲羅も許せない。お仕置きだな」
 嫉妬する涼に、抱えられて机に座らされた。

 「この部屋では初めてだけど、職場で咲羅を抱いてるようで、たまには、ここもいいよな」

 嫉妬が収まらない涼に抱きかかえられ、いつもと違う雰囲気に、気持ちが高ぶって声が漏れる…

 「俺で乱される咲羅に、満足いくまでは、寝かさないから」

 言葉の通り、「もう無理…」って、何度もお願いしても、「まだだよ」と許して貰えず、寝室に戻る頃には、外が明るくなり始めていた。
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