どちらとの恋を選びますか?【後編】~同期は独占欲強めな溺甘御曹司でした
 私を確かめるように、這う手と唇に、忘れていた感覚が体中を覆う。

 「夏目君…」
 夏目君は私の呼ぶ声に、
 「仕事以外で俺の事は、名前で呼んで欲しい…」
 頭を撫でながら、熱を帯びる瞳に見つめられた。

 「…涼」
 「もう一度呼んで…好きって言ってよ」
 「涼…大好き」
 「咲羅…俺も大好きだよ」

 言い終わるのと同時に、涼がゆっくりと深く私を突き動かす。

 「今夜で咲羅を、俺色に染めるから」

 私を見下ろす、色気混じりの目に見つめられ、涼に愛される時間。
 初めて見る、涼の色気溢れる表情と声に、ドキドキする。

 もう…ただの同期じゃないんだ。

 心も体も満たされる途中に、涼は何度も私を見つめながら、「咲羅…」と甘く囁き、キスをする…

 愛が溢れる微笑みに、身体中に熱が駆け巡る。
 そして私は、時の流れを忘れるほどに、涼の愛で埋め尽くされた。
< 13 / 114 >

この作品をシェア

pagetop