どちらとの恋を選びますか?【後編】~同期は独占欲強めな溺甘御曹司でした
 「夏目君!私、会社に携帯忘れたから、戻るね」
 「あぁ、俺は急用の連絡が入ってたから、電話するよ」

 夏目君は電話を掛け、私は、会社に戻り携帯を取ると、また駅に向かって歩き出した。
 夏目君、帰ったかな…

 あっ、まだ電話してる。
 私が近づくと、「電車乗るから切るよ」と、携帯を切っていた。

 「早かったな」
 「うん、会社の鞄に入れてたから。夏目君は電話、もういいの?」
 「あぁ、父さんから来週の予定の話だった」
 「色々と、忙しいね」

 結局、また2人で歩き出し、駅に向かう。
 夏目君は、社長の息子として、今まで以上に忙しくなっても、変わらず接してくれた。

 「春風、こっち側歩きなよ。金曜日は人通りが多いから」
 優しく微笑み、腕を引いて、場所を変わってくれた。
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