どちらとの恋を選びますか?【後編】~同期は独占欲強めな溺甘御曹司でした
 昼休みが終わり、午後から涼と外出の予定になっていた。

 「夏目君、少しいいかな?」
 チームリーダーに呼ばれた涼は、何か話を聞いた後、私の席の横に立った。

 「春風、俺、午後から、先輩の代わりに行くところがあるから、何かあったらフォロー頼むよ。直帰になるから」
 「分かった。気を付けてね」
 「あぁ、それから…」

 涼は、体をかがめると、
 「何か作って待ってるよ、咲羅」
 耳元で囁いた後、ポンと肩を叩いて、鞄を持って外出した。

 もぉ…会社で名前を呼んだら、恋人モードになって、ドキドキするのに…

 平常心を保たないと…
 小さく深呼吸しながら、呼吸を整えた。
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