どちらとの恋を選びますか?【後編】~同期は独占欲強めな溺甘御曹司でした
 午後から予定していた訪問が終わり、冬月商事に向かった。

 いつもの部屋に入って待ってると、陽先輩が入って来た。

 「ごめんね、急に」
 「いえ、仕事ですから。今日は夏目も別件でいませんので」

 一呼吸おいてから、陽先輩が話し出した。

 「先週の金曜日の夜、咲羅の家の前まで行ったんだ」
 金曜日…涼と初めて、愛を確かめ合った夜…

 「何か、急用でしたか?」
 「仕事じゃないことくらいは分かるだろ?はっきり、咲羅に自分の気持ちを伝えるためだ」
 「それは…」
 「垣谷が咲羅に全てを話したって聞いて…覚悟を決めたんだ」

 真っ直ぐに私を見る陽先輩から、目を離せない。
 「もう1度、俺とやり直して欲しい。咲羅を愛してる」
 「…陽先輩」

 真剣な目に見つめられ、一瞬、心が揺れた。
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