どちらとの恋を選びますか?【後編】~同期は独占欲強めな溺甘御曹司でした
 太ももに涼の手が伸び、その手を掴んだ。

 「もぉ、ダメだから!」
 小声で怒ると、悪戯っ子のように笑っている。

 「俺だけが見れる、咲羅の反応が嬉しい」
 「もぉ、仕事に集中してよ。帰ってからにして」
 「家に帰ってから…ね…今言った事、忘れるなよ」

 はっ!何だか涼に誘導されたような…
 恥ずかしさに、顔が熱くなる。

 「咲羅、もう説明はもういいよ。大体分かるから」
 「それなら…打ち合わせ必要ないじゃないの!」
 「咲羅と2人になる時間が、欲しかっただけだから」
 「昼から一緒なのに」
 「それまで待てなかったんだ。じゃあ、昼から宜しく」

 無邪気な笑顔でブースから出て行く涼…
 日に日に甘くなる涼に、私は胸の鼓動を弾ませながら、見送った。
< 31 / 114 >

この作品をシェア

pagetop