どちらとの恋を選びますか?【後編】~同期は独占欲強めな溺甘御曹司でした
 はぁ…最近の涼は、家でも職場でも、意地悪な言葉と行動で、私を翻弄する。

 特に職場では、私の反応を楽しむために、
 「咲羅、愛してる」
 「早く咲羅を抱きたい」
 そんな言葉をすれ違いさまに囁いて、私が顔を赤らめて怒るのを楽しんでる。

 そして、数日前、会議室に呼ばれた時は…

 「少しだけ充電させて…」
 抱きしめられて、慣れない仕事で大変なんだろうなと、私が頭を撫でると、
 「…ごめん、我慢出来ない」
 キスをされそうになったのを、私は自分の口を手で塞いだ。

 「いつも意地悪するから、キスはしてあげない」
 満面な笑みを浮かべて、涼を見た。

 いつものお返しに…
 それくらいの軽い気持ちだったけど…

 「あっ、そっ」
 鋭い目つきに変わった涼に、腕を掴まれ、壁に追いやられた。

 「じゃあ、これでいいよ」
 首筋に唇を這わし、愛の印を付ける。
 「涼!」
 「もう、しっかり付いたから」
 ニコッと笑い、そのまま会議室を出て行った。

 私は慌てて、ブラウスのボタンを上まで留めて、化粧室に飛び込んだ。
 良かった…ギリギリ見えない…
 もぉ、涼ったら…

 でも…
 凄く愛してくれているのが分かる。
 それが凄く幸せ。
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