どちらとの恋を選びますか?【後編】~同期は独占欲強めな溺甘御曹司でした
 午後からの顧客先は、特に若い世代に人気の化粧品メーカーだ。

 いつも通りにプランの説明をした後、相手の担当の総務課長が、
 「この後、社長とのお約束でしたね。ご案内致します。えっと、春風さんは…」
 と、涼に確認していた。

「今日は、ご挨拶だけですから、春風も同席させていただきます」
「では、ご案内します。春風さん、またこれからも宜しくお願いします。担当が春風さんみたいな方で助かりますよ」
「御社の事を考えて、ベストなプランを考えておりますので、そう言っていただけると報われます」
 「では、こちらへどうぞ」
 総務課長に案内され、私達は社長室に通された。

 「社長、先日は、ありがとうございました」
 涼のお父さん、社長と一緒に挨拶回りをした後、初めての訪問でも、物怖じせず、取引先の社長と会話する涼の横で、私はただ、笑顔でいた。

 すると、涼との話を終えた社長が私の方に顔を向けて、視線を合わす。
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