どちらとの恋を選びますか?【後編】~同期は独占欲強めな溺甘御曹司でした
 目を細めた、涼の嫉妬の目に捉えられて、身動き出来ない。

 「今のは、嘘、嘘だから」
 「もう遅い。今日、2度目の地雷踏んだな。覚悟しろよ」

 どうしよう…涼の嫉妬に火を付けてしまった…

 「涼…許して…」
 「覚悟しろって言ったろ?今までの思い出を、俺で埋め尽くすまで、終わらない」
 「仕事中んんっ…」

 私の言葉を遮るようにキスをして、仕事中だという罪悪感を忘れてしまうほど、涼の愛が止まらない。

 「涼…もう…上書きされたよ…」
 「話せる余裕があるなら、まだまだだな…」

 更に激しく突き動かす涼に、息が荒くなるほど愛を注がれた。

 シャワーを浴びて、職場に戻ると、私と涼の席の近くを通った後輩の田中君が、
 「あれっ?2人共、良い香りしますね…」
と、足を止めた。

 その言葉に、私がドキッとして、
 「そ、そう?」
 やっとの思いで返事をした。
 どうしよう…バレてしまう…

 「はいっ、石けんの香りというか…」
 「俺達、客先で香水のサンプルがあるから試してみないかって言われて、その香りだと思うよ」
 涼が咄嗟に機転を利かせて、返事をした。
< 38 / 114 >

この作品をシェア

pagetop