どちらとの恋を選びますか?【後編】~同期は独占欲強めな溺甘御曹司でした
 「いいなぁ、僕も行きたいです」
 「今度、配布用のサンプルがあれば渡すよ。同じのは無いと思うけど…」
 涼が頭を回転させて、返事をしているのが分かる。

 そうだよね…何も考えずにシャワーを浴びたんだから…

 「お願いします!」
 田中君は何の疑いも無く、席に戻って行った。

 はぁ…私、涼ほど上手く返せないから、いつかボロが出ちゃいそう。

 家に帰って、2人でその話しになった時、
 「いつかははっきり言うけど、それまでにバレても、問題ないよ」
 涼が優しく微笑むと、安心する。

 「いただいたサンプルを渡そうか、迷ったんだけど」
 「それはダメだよ。俺、あの香り、凄く気に入ったから。咲羅に付けて欲しい」
 「私、普段、付けないよ」
 「俺が付けて欲しい時だけでいいよ」
 「うん、じゃあ、その時は言ってね」
 「そうだなぁ…今夜、早速付けて」
 「…今夜って」
 「もう、言わなくても分かってるだろ?」

 満面な笑顔…

 付き合う前には、想像もしなかった、涼の溢れる愛情…
 私は…涼に愛される時間が、凄く待ち遠しいくらい、もう、涼に染まっている。
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