どちらとの恋を選びますか?【後編】~同期は独占欲強めな溺甘御曹司でした
 「俺に集中しろ」
 「だって…」
 「出来ないなら…そんな余裕、ないくらいにすればいいんだな」

 涼の顔が近づき、色気混じりの目で、私の目を捉える。
 「俺から目を離すなよ」

 涼を見つめながら激しく突き動かされると、背徳感を抱きつつも、満たされたくて、抗えなかった。

 「あっ…さすがにヤバいかも」
 涼は、慌てて準備をして、
 「今日、午後には会社に戻って、一緒に帰るから」
 上着を着ながら、私にキスをして、慌てて出て行った。

 2人の時は、甘くて、逞しく、色気溢れる涼…
 会社に行けば、また同期に変わる。
 私しか知らない、涼の姿。

 私もそろそろ、準備しようかな…
 着替えようとした時、ふと鏡を見ると、胸元の赤みを見つけた。
 その跡を指でなぞると、涼に愛されている映像が浮かぶ。

 ダメだ…仕事モードにならないと…
 スーツの襟を正して、心のスイッチを変えて、玄関の鍵を閉めた。
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