どちらとの恋を選びますか?【後編】~同期は独占欲強めな溺甘御曹司でした
 午後になると、涼がチームリーダーと会社に戻って来た。
 「春風、打ち合わせしたいんだけど、ちょっといいかな」
 「うん、大丈夫」

 会議室に入ると、チームリーダーが座っていた。
 「2人揃って…何かありましたか?」
 「夏目君の諸事情の件だけど、春風さんは知ってると聞いたから、今後のことを伝えようと思ってね」

 本当の話…あの事かな…

 「昨日の役員会議で決まったんだが、夏目君が、後継者ということを公表して、本格的に次世代化をしようと、社長が提案してね」

 そっかぁ…それでこの2日間、帰りが遅かったんだ。
 ゆっくり話す時間もなかったし…

 「それで、春風さんには、田中君の教育係としてペアを組んで、フォローして欲しいんだ」

 田中君か…
 田中君は、2歳年下で、人懐っこく、放っておけないタイプ。
 満面な笑顔は、年上先輩達が「田中君、可愛いよね」「母性本能をくすぐるよね」と言って、可愛がっている。

 「分かりました。夏目君のためなら、何でもします。私に出来る事があれば、何でも言って下さい」
 「では、明日から頼むよ。春風さん」

 チームリーダーは、そのまま部屋を出て行った。
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