どちらとの恋を選びますか?【後編】~同期は独占欲強めな溺甘御曹司でした
 「咲羅、急な話でごめん」
 「いつかこうなることは分かってたし、家では会えるから、寂しくないよ」
 「俺はひとときも、離れたく無いよ」

 そっと、私を抱きしめる。
 「俺以外の男と、一緒に仕事するのも見たくない」
 「仕事だから…ねっ」

 体を離すと、
 「さっきの、夏目君のためならって、凄く嬉しかった」
 「公私共に支えるから…無理しないようにね」

 涼の唇が私の唇に触れようとした時、私の携帯が鳴った。

 「はい、春風です。はい…分かりました」
 涼に抱きしめられたままの私は、電話を持った手を下ろして、小さな声で、
 「冬月商事から電話だって」
 それだけ涼に伝えて、もう1度、電話を耳に当てた。
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