どちらとの恋を選びますか?【後編】~同期は独占欲強めな溺甘御曹司でした
 陽先輩…
 そんなにも、まだ私のこと、思ってくれてたんだね…
 だったら、尚更、思い出さないと…
 陽先輩をもっと苦しめてしまう。

 翌日の午後、涼と車で病院へ向かった。

 「今日は、外で待ってるから」
 車の中で、私の顔を引き寄せ、舌を絡み取られるキスに、涼の気持ちが伝わってくる。
 ごめんね…辛い思いさせて…

 「待っててね。涼…愛してる」
 私は、涼に軽くキスをして、車を降りた。

 病室に入ると、昨日と同じように、陽先輩は窓の外を眺めていた。

 「陽先輩」
 「咲羅、待ってたよ」
 笑顔で迎えてくれる陽先輩は、どんな気持ちで、私を待っていたのかと思うと、胸が締め付けられた。

 私が横にある椅子に腰掛けると、先輩は私の手を握った。
 付き合っている時も、この大きな手で、いつも安心させてくれた。
 懐かしい…陽先輩の温もり。
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