どちらとの恋を選びますか?【後編】~同期は独占欲強めな溺甘御曹司でした
 「早くここから出て、咲羅と出掛けたい。また花火大会も行こう」

 陽先輩…昔の事は覚えてるんだ。
 もしかして、1つ1つ、思い出を振り返れば…

 「陽先輩、2人で見た花火、覚えてる?」
 「もちろんさ。咲羅に初めてキスをした日だから」
 「あの時の、夜空を照らす花火も、体に響く音も、忘れられないね」
 「あぁ…綺麗だった」
 「それから、2人で初めて旅行に行ったね。テーマパークで遊んで、夜景の見えるホテルに泊まって…」
 「あの日、咲羅を抱いた感動は、今でも覚えているよ」

 頬笑みながら、私の頭を撫でる陽先輩。
 私も、あの感動は忘れてないよ。

 でもね…今の私は、もう、心も体も涼に染まってるの…
 ごめんね…そして、ありがとう。

 もう、思い出して…現実を。
 今の陽先輩を見るのは、辛いから…
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