どちらとの恋を選びますか?【後編】~同期は独占欲強めな溺甘御曹司でした
 涼は黙って私を見て、掴んだ腕を離し、
 「頭冷やしに、今から会社に行って、そのまま夕食済ませてくるから」
 小さな声で話した後、私に背を向け、出掛けて行った。

 涼…私はあなたを愛してるのに…
 その場にしゃがみ込んで、ただ涙が止まらなかった。

 夜に帰って来た涼は、「ただいま」そう言って、シャワーを浴びていた。
 いつも帰って来たら、必ず抱きしめてくれるのに…
 シャワーを浴びた後、そのまま寝室に入っていった。

 ベッドに横になって、目を瞑っている涼…
 気持ちを伝えないと…
 私はベッドに腰掛けて、涼に向かって話し掛けた。

 「涼…話を聞いて欲しいの」
 涼は目を開けて、起き上がり、ただ私を見つめる。
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