どちらとの恋を選びますか?【後編】~同期は独占欲強めな溺甘御曹司でした
 シャワーを浴びてキッチンに入り、コップにお水を入れて飲んでいると、
 「咲羅、もう、荷物も全部こっちに持って来て、一緒に住もう」
 涼が近寄って来て、私のコップを取って、残りの水を飲んだ。

 「いいの?」
 「殆どこっちにいるだろ?それに、咲羅はこれからずっと、俺と一緒にいることだし…」

 涼は、部屋を見ながら話をしてるけど…
 どういう意味か分かって言ってるのかなぁ…

 「ねぇ、涼それって…」
 「咲羅の荷物を置くところ、あそこがいいかなぁ…」

 もう、夜も遅いのに、別室に行ってクローゼットを開けたり、腕組みをして悩んでいる。

 私、ずっと一緒に仕事をしていて、どうしてもっと早く気付かなかったんだろう。
 涼に愛されて、こんなに幸せになる人生を…

 「涼、ありがとう」
 私がそっと、後ろから抱きしめると、
 「そんな可愛いことすると、また啼かせるぞ?」
 そう言って、抱きしめた私の手を握った。
 「も、もぉ、今日は疲れたから」
 「そうだな。明日、咲羅の家の方を片付けて…買い物もしたいから」

 寝室に戻り、ベッドで涼に包み込まれながら、目を瞑る。
 こんなに幸せなのが、怖いくらい…
 これからずっと涼と一緒…
 幸せに満ちて、私は眠りについた。
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