どちらとの恋を選びますか?【後編】~同期は独占欲強めな溺甘御曹司でした
 2人笑顔で、歩いていると、こっちに涼が歩いて来るのが見えた。
 「もう1度、自分でシュミレーションしたら良いと思うよ」
 「はいっ」
 元気な返事をした後、田中君は、
 「僕、春風先輩のこと、めちゃくちゃ尊敬してます」
 と、耳元で囁いて、近づいて来た涼に会釈をして、席に戻った。

 「春風、ちょっといい?」
 険しい顔した涼に呼ばれて、会議室に入った。
 何か、あったのかな…

 「どうしたの?仕事で嫌な事でもあったの?」
 「あぁ」
 「私に言えることなら、聞くから」
 「むしろ、聞いて欲しいね」
 「何?」
 「俺の目の前で、田中と仲良くして、嫉妬させたいわけ?」

 嫉妬に満ちた目を細めて、私の頬を撫でる。
 「ち、違うよ!だって、涼とだってあんな風に」
 「荷物を持ってくれるって話しをした時、ちょっと、ドキッとしてたよね」
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