どちらとの恋を選びますか?【後編】~同期は独占欲強めな溺甘御曹司でした
 皆の温かい言葉を受けて、静かになった部屋には、2人だけになった。

 「咲羅」
 腕を広げる涼の胸に飛び込んだ。

 「俺、この会社も皆も守っていきたい」
 「そうだね。涼ならきっと大丈夫」
 「もちろん、咲羅が傍にいることが、前提だから」
 「うん、支えていくからね」

 ずっと…涼の傍で笑っていたい…

 2人が席に戻ろうとした時、会議室に1人の女性が歩いて来た。

 「あっ、いたいた!涼!久しぶり」
 「京子さん…お久しぶりです。でも、どうしたんですか?こんな所で」
 「よそよそしいわね。お見合いの相手に」
 「えっ?お見合い?」
 「聞いてないの?私達のお見合いの話。まぁ、私もそろそろ結婚したいと思ってたし、知らない人より涼ならいいかと思ってさ」

 私は突然のことに、顔が引きつって、ただ呆然と立っていた。
 「あなたは?」
 「わ、私は、同僚の春風といいます」
 「初めまして。ごめんなさい。涼と話があるので、ちょっとお借りしますね」

 そして、そのまま2人は会議室に入っていった。
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