どちらとの恋を選びますか?【後編】~同期は独占欲強めな溺甘御曹司でした
 家柄なんて、考えもしなかった。
 私、自分の幸せばかり考えて、涼の立場を考えていなかった。
 ただ、涼を愛している、仕事で支えていくことだけで…
 それだけで、何の力も無いのに。

 「きちんと話はつけるから」
 私に手を伸ばす涼に、背を向けた。
 「私…今から外出するね。今日は家に帰らないから」

 会議室を出た足で、チームリーダーの所に行き、飛び込みの営業に行くから、直帰する許可を貰って、私は会社を飛び出した。

 飛び込み営業なんて、今の私に気力は残ってない。
 その足で、いつものカフェに入って、1番奥の席に向かった。

 「咲羅…」
 声を掛けて来たのは、雑誌を読みながら、コーヒーを飲んいでる、陽先輩だった。
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