どちらとの恋を選びますか?【後編】~同期は独占欲強めな溺甘御曹司でした
 「陽先輩…どうして、こんな所に?」
 「電車で近くに来たから、ちょっと休憩に立ち寄ったんだ。そうか、会社、この近くだもんな」
 「はい…休憩中にお邪魔して、すみません」

 私は別の席に行こうとすると、
 「咲羅、前の病院での事、電話だけのお詫びだったし、ご馳走するから、一緒にどぉかな?」

 記憶が戻った後、陽先輩からお詫びの電話があった。
 涼が担当から外れたと同時に、私も冬月商事から外れたから、結局、顔を合わすことは無かった。

 どうしようか迷ったけど…
 「…じゃあ、お邪魔します」

 陽先輩の前に座り、カフェオレを頼んだ。

 「気楽にしろよ咲羅…何か…あったか?目が赤いけど、大丈夫か?」
 「うん…大丈夫。それより、婚約されたって聞いて…おめでとう、陽先輩」
 「政略結婚ってやつさ」
< 70 / 114 >

この作品をシェア

pagetop