どちらとの恋を選びますか?【後編】~同期は独占欲強めな溺甘御曹司でした
 政略結婚…
 その言葉に、胸が張り裂けそうになる。

 「やっぱり…陽先輩も会社のことを考えて…」
 「咲羅にそんなこと言われると辛いけど…愛する人がいたらしないよ」
 「そ、そうなの?でも、家同士の事考えたら、そんなに簡単には…」
 「もしかして、夏目さんと何かあった?」
 「…ううん…何も…」
 私は俯いて、カフェオレを混ぜていた。

 「咲羅?俺が咲羅の事、見抜けないと思ってるのか?どうしたんだ?」

 顔を上げて、陽先輩を見ると、
 「もう、2人の間は、認めてるよ。咲羅には幸せになって欲しいんだ。だから、気にせずに話せよ」
 あの頃のように、優しく微笑んでいた。

 陽先輩の事は、信頼してる。
 思い切って、涼が陽先輩と同じ、会社の後継者である事を話した。

 「それでね…お見合いの話が出てるみたいで…涼は、知らなかったって言ってるけど」
 「だったら、まだ決まってないんだろ?」
 「でも、会社のこと考えたら…涼だって、そんな事言ってられないでしょ…相手の人は、もう、その気で話してたし…」
< 71 / 114 >

この作品をシェア

pagetop