どちらとの恋を選びますか?【後編】~同期は独占欲強めな溺甘御曹司でした
 「咲羅、今から出掛けようか。会わせたい人がいるから」
 「合わせたい人?」
 「咲羅と、咲羅との子供の次に大切な人、俺の母さんだ」

 車に乗ると涼は、
 「大丈夫か、咲羅。気持ち悪くないか?」
 「車の振動、お腹に響かないか?」
 道中、ずっと私に気遣う、言葉を掛けてくれた。

 「涼、心配しなくても大丈夫だから…辛い時は言うからね」
 「はぁ…こんなに緊張して車を運転するの、初めてだよ」
 引きつった顔で運転する涼を見ると、幸せ過ぎて、胸が熱くなる。

 駐車場に車を駐め、マンションのある部屋の前で待っていると、
 「いらっしゃい、咲羅さん。お待ちしてましたよ」
 明るく迎えてくれたのは、涼によく似たお母さんだった。
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