どちらとの恋を選びますか?【後編】~同期は独占欲強めな溺甘御曹司でした
 「ここなんだ」
 「…夏目君…ここに住んでるの?」

 外観は、まるでホテルみたいなタワーマンション…

 「す、凄い所に住んでるね…」
 「学生の頃から、父親の影響で、投資を始めてさ。デイトレーダーとして、結構儲けたんだ。そして、資本金を父親に返した残りで、買ったんだ」

 ということは…
 「えっ、自分で買ったの!?夏目君…凄い人なの?もしかして…」
 「もう、昔ほどはやってないよ。時間が取れないしね」

 平然な顔をして夏目君は私の手を引いて、中に入った。
 エントランスは重厚感があって、セキュリティーが厳重だし、別世界に来てるみたい。

 キョロキョロする私に、
 「迷子になるなよ」
 満面な笑みを浮かべた夏目君は、私の手を握り、そのまま歩き出した。
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