どちらとの恋を選びますか?【後編】~同期は独占欲強めな溺甘御曹司でした
 「さぁ、中に入って」
 通されたリビングには、色々な種類の果物が並んでいた。

 「あまり食欲ないって言ってたから、果物、用意していたの。ゼリーもあるからね。あっ、何か食べれる物があるなら、作るからね」
 「母さん、落ち着けよ。俺の大切な人、春風咲羅さんだ」
 「あらっ、ごめんなさい!涼から話を聞いてたから、すっかり初めての感じじゃなくて」
 「初めまして。お気遣いいただいて、嬉しいです」
 「涼には、いつも早く会わせてって言ってたのよ。さぁ、座って」

 凄く品があるのに、明るくて、優しさに溢れ、醸し出す空気は、涼と同じだ。
 心が落ち着く。

 「おめでとう!どっちなのかしらね」
 「あのさ、さっき電話で言ったよね、明日病院に行くって。それにまだ分かるわけないだろ?」
 「あぁ、そうね。私、おばあちゃんになるのよ!こんなに嬉しい事はないわ」
< 80 / 114 >

この作品をシェア

pagetop