どちらとの恋を選びますか?【後編】~同期は独占欲強めな溺甘御曹司でした
 不安だった心が、涼のお母さんの温かさと、涼の優しさで、無くなっていく…

 「愛してるよ、咲羅」
 涼に抱きしめられて、顔が赤くなった。
 「お、お母さんの前だよ」
 「いいんだ、本当のことだから」

 お母さんを見ると、目頭を押さえて、涙を流していた。
 「良かった、本当に…幸せになってくれて」

 お母さん…
 離婚して、育てた息子はお父さんの会社を継ぐことになって、色々と気持ちの整理をしながら、1人で生きて来られたんだ…

 「お母さん、また遊びに来てもいいですか?」
 「1人でもいいから、いつでもいらっしゃいよ」
 「はい、ありがとうございます」
 「母さん、俺達、今日は帰るよ。明日病院にも行くし」
 「あっ、果物、詰めるから待ってね」

 その後、駐車場まで来てくれて、お母さんは見えなくなるまで、携帯を光らせて、手を振ってくれていた。
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