どちらとの恋を選びますか?【後編】~同期は独占欲強めな溺甘御曹司でした
 社長室を出ると、何度連絡しても繋がらなかった咲羅から、着信が入った。

 「咲羅、今、どこにいるの?」
 「ご無沙汰してます、夏目さん」

 この声…まさか…

 「どうして…冬月専務が咲羅の携帯を…」
 「さぁ、どうしてでしょうね…」
 「咲羅は、咲羅はどうした!」
 「俺は、君ならと思って咲羅を託したんだ。それなのに…咲羅以外の人と」
 「2人の問題だ。あなたには関係無い」
 「それはどうかな?今直ぐ、駅前のオープンカフェに来ないと、咲羅を泣かした罰として、俺が連れて帰りますよ。じゃあ」

 咲羅…
 俺は、電話が切れたと同時に、席に戻り「外出します!」それだけ言って、鞄を持って、駅前のカフェまで走った…

 誰が何と言おうと、咲羅をこの手から離さない。
 例え、咲羅の心があの人に傾いても、必ず取り戻す。
< 87 / 114 >

この作品をシェア

pagetop