どちらとの恋を選びますか?【後編】~同期は独占欲強めな溺甘御曹司でした
 部屋に入ると、木目調の家具で、明るい雰囲気の広い部屋は、爽やかな夏目君らしい。

 「そこに座って待ってて。何か作るよ」
 「私も手伝うよ」
 上着を脱いで、キッチンに向かう夏目君の後ろに、付いて行った。

 「ねぇ、何をしたらいい?」
 手を洗って振り向くと、目の前に夏目君が居て、仕事では何とも思わないのに、ドキッとした。

 「ご、ごめん」
 恥ずかしくて、目も合わさず、慌てて離れようとしたら、
 「春風…」
 腕を掴まれ、そのまま引き寄せられると、夏目君に抱きしめられた。

 「やっぱり今、答えを聞かせてよ」
 「あの…」
 「俺の気持ちは伝えた。春風の返事は?」
 「それは…」
 「早く言わないと、俺は春風に手を出せない」
 「もう…抱きしめてるよ」
 「それだけじゃ…終わらせたくない。お願いだ、気持ちを聞かせて」
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