どちらとの恋を選びますか?【後編】~同期は独占欲強めな溺甘御曹司でした
 敦子さんは、涙を流しながら、その場にしゃがみ込んだ。

 「涼…この子は、皆に祝福されて産まれて欲しいの…だから、憎しむのは、これで終わりにして欲しいの」

 咲羅に抱きしめられて、愛情の温もりが流れ込む…

 「あぁ、分かったよ。咲羅…」

 俺は、敦子さんに向かって、
 「直ぐに縁談の話は断って下さい。宜しくお願いします」
 そう言うと、敦子さんは頷いていた。

 「私達はこれで失礼します。涼…」
 「あぁ…」
 泣き崩れる敦子さんに、それ以上声を掛けること無く、俺達は車で家に向かった。

 助手席で咲羅は、何も聞かず、歌を口ずさんでる。
 心地良い…さっきまでの怒りも収まり、穏やかになる。
 もう、咲羅がいない人生は、俺には考えられないよ。
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