どちらとの恋を選びますか?【後編】~同期は独占欲強めな溺甘御曹司でした
 咲羅…
 俺の咲羅への気持ちは、どうやっても全て表現出来ない…
 どんなに咲羅を抱き尽くしても、愛の言葉を語り尽くしても…

 俺達の子供を愛おしく撫でる咲羅を見ると、この数年間の出来事が、次々に頭を駆け巡った。
 
 そして、俺が描いていた未来…
 ようやくこの時を迎える事が出来る。
 待ちに待った瞬間だ…

 咲羅にキスをして、抱きしめた。
 「今からさ」
 「うん」
 「婚約届、出しに行かない?」
 「えっ?今から?」
 「今すぐに俺の妻にしたい」
 「でも、用紙、無いでしょ?」
 「用紙なら家に有るよ」
 「えっ?」

 ビックリする咲羅の前に、俺の名前が既に書かれた婚姻届とペンをテーブルに置いた。

 証人は、俺の母さんと、1人でお願いしに行った、咲羅のお父さんだ。

 「涼…もう、名前を書いてくれて…たんだね…それに、涼のお母さんと…私のお父さんにまで…」
 大粒の涙を流す咲羅の手を握り、しっかりと目を見据えた。

 「夏目咲羅になってくれますか?」
 「はい…お願いします」
 俺を見つめる咲羅にキスをすると、泣きながら顔をくしゃくしゃにして笑っている。

 咲羅を抱きしめると、「ありがとう」と何度も囁いて、俺を強く抱きしめていた。

 それは俺のセリフだよ、咲羅…
 咲羅の笑顔、俺はずっと守り続けるからな。
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