結婚相手を見つけるため秘書官を辞めたいです 〜なのに腹黒王子が「好きだ」なんて言って邪魔してくるのですが!?〜
「……では、私は失礼します」
殿下へのお茶を用意しているメイドの横を通りすぎ、私は廊下に出た。
早朝だからか、会議室の並ぶこの廊下にはまだ誰もいない。
私は足早に歩きながら、ギュッと拳を握った。
ああーー、もうっ!
ちょっとぶつかったくらいで、大嫌いなクア草を食べさせるなんて!
大丈夫なんて爽やかに言っておいて、本当は怒ってたのね。だからって、こんな嫌がらせはひどすぎるわ!
この国の第1王子ジョシュア殿下は、その華やかな見た目にやわらかい物腰が好感を呼び、国民からも臣下からも絶大な人気を持つ王子だ。
けれど、その実態は先ほどのアレである。
そう。国民や臣下の前では爽やかで優しい王子だが、実際には人の嫌がることをして喜ぶ──腹黒王子なのだ。
殿下へのお茶を用意しているメイドの横を通りすぎ、私は廊下に出た。
早朝だからか、会議室の並ぶこの廊下にはまだ誰もいない。
私は足早に歩きながら、ギュッと拳を握った。
ああーー、もうっ!
ちょっとぶつかったくらいで、大嫌いなクア草を食べさせるなんて!
大丈夫なんて爽やかに言っておいて、本当は怒ってたのね。だからって、こんな嫌がらせはひどすぎるわ!
この国の第1王子ジョシュア殿下は、その華やかな見た目にやわらかい物腰が好感を呼び、国民からも臣下からも絶大な人気を持つ王子だ。
けれど、その実態は先ほどのアレである。
そう。国民や臣下の前では爽やかで優しい王子だが、実際には人の嫌がることをして喜ぶ──腹黒王子なのだ。