結婚相手を見つけるため秘書官を辞めたいです 〜なのに腹黒王子が「好きだ」なんて言って邪魔してくるのですが!?〜
フレッド王子の行動に疑問を持ちつつ部屋に入ると、すでに父と王子は席に着いていた。
父のアイコンタクトで私に王子の隣に座れと言っているのがわかったため、真顔で姿勢良く座っている王子に声をかける。
「遅くなってすみませんでした。失礼します」
「…………」
フレッド王子はチラリと私に視線を移すなり、無言でコクンと頷いた。
……やっぱり何を考えているのかわからないわ。
ふとテーブルを見ると、いつも以上に豪華な料理がたくさん並んでいた。
おそらく両親や使用人たちが、はりきって朝から王子を迎える準備を整えていたのだろう。
「さあ、どんどん召し上がってください」
父の言葉で不思議なメンバーの食事会が始まった。
フレッド王子は好き嫌いする様子もなく、パクパクと自分の前に置かれた料理を綺麗に平らげていく。