結婚相手を見つけるため秘書官を辞めたいです 〜なのに腹黒王子が「好きだ」なんて言って邪魔してくるのですが!?〜
あまり人と関わることを望むタイプには見えないのに、それでもわざわざ挨拶に来てくれるなんて……フレッド殿下って律儀な人なのかしら?
そんなことをボーーッと考えていた私は、次の父の質問にピクッと反応した。
「フレッド殿下はこの国に来たことがありますか?」
「何度か。幼い頃は2ヶ月ほど滞在していたこともあります」
「!」
2ヶ月滞在?
「あの、それは何歳くらいの話でしょうか?」
今まで静かに話を聞いていただけだった私が突然質問したので、両親もフレッド王子も一瞬驚いて目を丸くした。
姉の話でもなく、なぜこの話に食いついているのか不思議そうな顔だ。
「……たしか7、8歳くらいだったかと」
「!!」
フレッド殿下は私の2つ年上のはずだから、あの男の子の年齢と同じくらいだわ!
「それが何か?」
「あの……そのときも、変装用としてあのウイッグをつけていたのですか?」
「そうですね。子ども用のものをつけていたと思います」
望む答えが返ってくるたびに、心臓がドクドクと速くなっていくのがわかる。
やっぱり、あの男の子はフレッド殿下なのでは……!?