結婚相手を見つけるため秘書官を辞めたいです 〜なのに腹黒王子が「好きだ」なんて言って邪魔してくるのですが!?〜

「…………んん?」


 まだ重い瞼を擦って半分目を開けると、いつもとは違う天井が見えた。
 それが実家の部屋の天井だと気づき、慌ててベッドから飛び起きる。


「今、何時!?」


 時計を確認すると朝の4時半だった。
 ここが王宮であれば問題ない時間だけど、実家となると完全に寝坊だ。



 大変!
 朝のスケジュール確認に間に合わないわ!!



 私はすぐに着替えを済ませ、両親へ挨拶をするなり馬車に駆け込んだ。
 遅刻をしてしまうという恐怖と焦りで、昨夜懐かしい夢を見たことはすっかり頭から消えていた。
 
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