結婚相手を見つけるため秘書官を辞めたいです 〜なのに腹黒王子が「好きだ」なんて言って邪魔してくるのですが!?〜
なんで殿下はこんなにも聞きたがるの?
6歳の頃の初恋の人に似ていただなんて話、恥ずかしくてできるわけないじゃない。
どうしたらこの包囲網から抜け出せるの!?
そんなことを考えていたとき、執務室の扉がノックされた。
コンコンコン
「ジョシュア。私、マーガレットよ」
「!」
マーガレット殿下?
「……入って」
それまで笑顔だったジョシュア殿下は、めんどくさそうに顔を顰めた後、小さく返事をした。
それと同時に、赤いドレスを着た派手なマーガレット王女が部屋に入ってくる。
「失礼するわ……って、なんでこんなところに立ってるの!?」
王女は扉のすぐ近くに立っていたジョシュア殿下を見て、一瞬ビクッと肩を震わせた。