結婚相手を見つけるため秘書官を辞めたいです 〜なのに腹黒王子が「好きだ」なんて言って邪魔してくるのですが!?〜

「すぐに返してよ」
 
「わかってるわよ!」


 
 ……借りるとか返すとか、2人とも私のことをなんだと思っているのかしら。
 なんだかんだ似たもの姉弟なのよね。


 
「ここでは話せないから、違う部屋に行くわよ」
 
「はい」

 
 言われるがままついて行った先は、普段よく会議のときに使っている部屋だった。
 バタンと扉を閉めると同時に、マーガレット王女が私の両肩をガシッと掴む。

 
「ねえ!! あの中にセアラの書類がないってどういうこと!?」
 
「え? あ、あの中?」

 
 余程焦っているのか、マーガレット王女は私を前後にガクガク揺らしながら大声で質問してくる。
 そのあまりにも早い口調と迫力と頭の揺れで、うまく考えることができない。


 
 え? な、何!? なんの話?
 
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