結婚相手を見つけるため秘書官を辞めたいです 〜なのに腹黒王子が「好きだ」なんて言って邪魔してくるのですが!?〜

「セアラの書類よ! 妃候補の中に、セアラの書類もあったでしょ!? それがなくなってるそうじゃないの!」
 
 
 カタッ
 
 その時、扉のほうから小さな物音が聞こえた気がしたけれど、王女の迫力がすごすぎてすぐに頭から消え去ってしまった。


 
 わ、私の書類?
 というか、ちょっと止まってぇぇーー!!


 
「マ……マーガレ……ット殿、下……」
 
「何!?」

 
 なんとか声を絞り出すと、やっと王女は私を揺するのをやめてくれた。


 
 ううう……頭が……クラクラするわ……。
 えっと、なんの話だったかしら……?
 たしか私の書類が妃候補の中にないって言われて……。


 
「……はい。私の書類は事前に私が抜いておきましたので」
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