結婚相手を見つけるため秘書官を辞めたいです 〜なのに腹黒王子が「好きだ」なんて言って邪魔してくるのですが!?〜
 
 私の実家、バークリー家は昔から王子の補佐官として働いてきた由緒ある公爵家の家系で、家柄としても王家との信頼関係にしても申し分ない。
 そんな公爵家の娘である私も、当たり前のように妃候補の1人だった。


「どうして抜いたの!?」

「必要ないと思いまして。候補者が少しでも減ったほうが、殿下も選びやすいのではないかと」

「…………」


 私の答えを聞いて、マーガレット王女が口を丸く開けたまま固まった。
 


 ん? 抜いたらダメだったのかしら?



 足の力が抜けたのか、王女がフラフラと歩いて壁に寄りかかった。
 顔色は青くなっていて、どこか遠い目をしている。
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